第102章 ライブの伴奏を務める

「え?」

藤原亮介は固まった。

――田中未菜じゃ、ないのか……。

「人違いです」橘結衣は隣の子を指さして言った。「こっちが田中未菜。私は友だちです」

藤原亮介は田中未菜を見て、ようやく思い出す。

あの日、レコーディングスタジオで会ったもう一人の女の子だ。

つまり、スタジオを押さえていたのは田中未菜で、ピアノちゃんは付き添いだった――そういうことか。

「いや、大丈夫」藤原亮介はマスクの端に指をやり、耳まで赤くしながら気まずそうに言った。「来てくれたならそれでいい。俺が会いたかったのは……君だから」

今度は田中未菜が固まる番だった。

「は? 探してたの、私じゃなくて結衣のほう?...

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